フルハウス (文春文庫) 価格: 410円 レビュー評価:3.5 レビュー数:5 この作品にある不気味さは細部にいたる描写にある。それがなにを意味しているかと言うと、心理描写をせずに、情景描写によって心理の動きを描きだすという高度な技術をこの作家が獲得していることを意味する。 そういう意味で評価に値する作品だと感じた
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ゴールドラッシュ (新潮文庫) 価格: 580円 レビュー評価:4.0 レビュー数:9 僕は横浜に住んでいるが、未だ港湾地区には行ったことはない。伊勢佐木町のその先にあるというのは聞いたことがあるが、柳美里が描くその
黄金町というものがありのままのそこであるのならば、僕は自分がまだその場所には行くべきではないと思った。
腐臭が漂ってきそうですらある彼女の描写からは、そこが人生の終着駅、人が最期に訪れる場所にしか思えてこないのだ。
これは父殺しの小説だ。黄金町を寝床にする怪物、パチンコ店でのし上がり金と権力と性を思うがままに操る強欲的な父とその息子である「少年」。
彼はその父を殺し、支配から逃れたのはいいものの、その死 |
魚の祭 価格: 1,835円 レビュー評価: レビュー数: |
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MIRI―花井美里写真集 価格: 2,100円 レビュー評価:2.0 レビュー数:1 とうとう煽り文句も最新写真集と銘打たれるだけになってしまった。
特別なシチュエーションを設定しているわけではなく、普通に沖縄で水着写真を撮ってきましたというだけ。
新人アイドルの1st水着写真集のような撮影手法のような。
今までが限界すれすれの着エロだったから、目新しいと言えなくもないけど、あの顔立ちも、(いい意味で)バランスの悪いスタイルも、普通のアイドルらしさが全く似合わないと思う。 |
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生(いきる) 価格: 1,300円 レビュー評価: 4.5 レビュー数:4 妻ある男性の子どもの妊娠・出産と、師として、父親として、そして恋人としての関係を15年間続けてきた劇作家の東由多加の闘病生活の介護の日々を、2つの命の交錯として描き、センセーションを呼び起こした『命』、『魂』に続く「命三部作」完結編である。 国立がんセンター中央病院を出て、昭和大学付属豊洲病院へ転院する東。3人の女性たちの手厚い介護の中、わずかな可能性にかけた抗ガン剤治療は死を前提とした延命治療へとシフトしていく。生後2か月の丈陽を友人の町田康夫妻に託し、東の個室に寝泊まりし、介護の合間に原稿を書き、治療費の工面をする「わたし」。ここで語られるのは日常の中の戦争だ。「わたし」 |
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